原発事故は、もういらない・・・

No More Nuke accident!

放射線による被ばくって何が怖いの?

レントゲンと子供“放射線”は、ある特殊なエネルギーを持っており、多かれ少なかれモノを通過する能力を持っています。
レントゲンやCTスキャンに使われる、X線(γ線)は有名ですね。

さて、人が熱(線)を浴びた場合、“火傷(やけど)”しますが、火傷の場合、身体の内側からではなく、皮膚の“表面”が侵されます。

これに対して、人が放射線を浴びることを“被ばく”といいますが、この被ばくの場合、その“物と通過する”という特性上、身体の中から、それも細胞レベルで侵されることになります。

ご記憶にある方も多いと思いますが、東海村JCO臨界事故。

この原子力事故によって、二人の作業員がお亡くなりになりました。
このお二人は、約10~20シーベルトの放射線(この時は放射線の中でも特にエネルギーの高い中性子線)を浴びてしまったそうです。
その結果、身体の表面ではなく、身体内の細胞、それもDNAが全て破壊され、近代医学の粋を集めた治療の甲斐もなく死亡する事になるのです。

私は、お二人のうち、最初に亡くなられた大内さんの被ばく直後の写真を拝見しましたが、正直、見た目には“日焼け”程度の異常にしか見えませんでした。
夏場の海岸辺りに普通に居そうな、そんな程度です。
実際に、被ばく直後は、普通に会話も出来る様な状態だったそうです。

しかし、身体中のDNAが破壊された身体は、細胞分裂が一切出来なくなる・・・。

高校の頃だったかと思いますが、生物の授業で、細胞分裂の際にはこの“DNA”が設計図となって増えて行くと習った記憶があります。
例えば、皮膚や粘膜、血液などといった細胞は、通常でも数日から数週間で死んでしまいますが、健康体であれば、入れ替わりに新しい皮膚や粘膜が作られ再生されますので、なんら問題はありません。
いわゆる“新陳代謝”という奴ですね。

ところが、この時に細胞分裂が行われなかったらどうなるのか?

そう、皮膚や粘膜、血液などの新陳代謝の激しい細胞は、どんどん死に絶えていき、例えば皮膚などは、どんどん表面から溶け落ち、筋肉がそのまま露出する事になってしまうのです。

一体どんな苦痛に襲われるのでしょうか、、、。
http://www8.plala.or.jp/grasia/dokushyo/JCO/Hibaku2.pdf

とはいえ、、、

先ほど最初に例にあげた普通の火傷であっても、重度のものであれば死に到るものであり、放射線だけが特別恐ろしいとは言い切れないと思います。

さて、火傷でも軽度の場合、少しの間“ひりひり”と痛むかもしれませんが、命には別状ないでしょう。
例えば、多少熱いお茶を飲もうとしても、普通はむせ返って吐き出す程度で、それを理由に死に到る事もありません。

しかし放射性物質の場合、飲食や呼吸によって、例え微量であったとしても体内に取り込んだ場合、大変な事になる様です。

2006年旧ソ連国家保安委員会(KGB)、ロシア連邦保安局(FSB)の元職員アレクサンドル・リトビネンコ氏がロンドンで毒殺されました。この時に使われたのがポロニウム210という放射性物質で、用いられた量は“たったの100万分の1グラム”。
1グラムは一円玉の重さですが、その100万分の1と言われてもいまいちピンと来ませんよね。
食べ物か飲み物に混入されていたと言われてますが、あまりにも微量ゆえに、まったく気づくこともなかったでしょう。
しかし、間もなくリトビネンコ氏は急性の多臓器不全に陥り、治療の甲斐もなく約20日後に亡くなります。
このポロニウム210という放射性物質は、かの有名なプルトニウム同様にα線を出す上に、半減期が短い為に放射能が高く、ほんの微量でも人を殺してしまう事が出来る様です。

東海村JCO臨界事故の様に、外から放射線を浴びることを“外部被ばく”と言います。
そして、この暗殺されたリトビネンコ氏の様に、身体の内部から放射線を浴びることを“内部被ばく”と言います。
どちらも大切な言葉なのでぜひ覚えてくださいネ。

被ばく自体は、外部被ばくであっても内部被ばくであっても、どちらも危険であることに違いはありません。
しかし、同じ放射能であれば、外部被ばくに比べて、内部被ばくの方が、人体にとってはずっと危険です。
理由は簡単で、身体に入ってしまった放射性物質はすぐには体外に排出されず、体内に留まる事になるためです。
体内に留まっている間、近距離から長時間被ばくすることになるため、身体への影響が必然大きくなります。

さて、放射線による障害は、こういった数日以内に症状が出る“急性”のものとは別に、“晩成”のものがあります。
(外部だの内部だの、急性だの晩成だのとややこしいですが、頑張ってついて来てくださいネ)

福島原発事故の折、当時の枝野官房長官が繰り返した「ただちに、身体に影響はありません」と言っていた、この“ただちに”がいわゆるJCO臨界事故やリトビネンコ氏など“急性”の身体への影響です。

それに対して、“10年後、20年後”といったスパンでゆっくりと身体を蝕んでいくのが“晩成”の症状と言う事なります。

代表的な例が“ガンの発症”です。

ここでガンという病気の仕組を簡単に説明しましょう。
ガンは身体の中にある健康で正常な細胞が、ある時突然変異をし、それが増殖することで、身体に異常を来たしてしまう病気です。

例えば、血液の一つである白血球を作りだす骨髄が“なんらかの理由”で損傷し正しく機能しなくなった場合、正常な白血球を作れなくなります。そしてこの正常ではない(異常な)白血球が増え続ける病気を、白血病と言います。
いわゆる血液のがんです。

放射線による身体への影響としてこのガンの発生率の上昇があります。

先ほどの急性時の例で紹介しましたが、放射線は強いエネルギーを持っており、細胞をDNAレベルで傷つけてしまいます。
急性の際は、DNAが死んでしまい細胞分裂が出来ない状況に陥りますが、単にDNAの一部に傷が付いただけという状況だとどうなるのでしょうか?

答えは簡単です。
傷付いたままの不完全な細胞が、どんどん分裂し増殖していくのです。

お気づきでしょうか?
これはガンという病気の発生の仕組みと同様な事を。

血液の一つである白血球を作りだす骨髄が、放射線によって損傷し正しく機能しなくなった場合、正常な白血球を作れなくなります。そしてこの異常な白血球が増え続ける病気を白血病と・・・。

広島と長崎に落とされた原子爆弾の放射能の影響で、後日たくさんの方が白血病になりました。

・・・

さて、ここでテレビ等で良く聞かされるのは「細胞には修復機能があり、“この程度”の放射線によって傷つけられる事があっても、修復されますので問題ありません(※)」というもの。

では、この問題が起きない“程度”の基準はどうなっているのでしょうか?

先ほどあげた日本の安全基準を思い出して下さい。

2011年7月現在の我が国では、、、世界で一番原子力に詳しいアメリカでは危険とされる基準の5,000倍の放射能を「問題ない」と言いきっているのです。

※実際にはこの“修復効果”についても諸説があり、放射能の人への影響について最大の臨床実験の場となってしまった広島、長崎の原爆の追跡調査では “低線量での被ばくは高線量による被ばくよりも、単位線量辺りの危険度が高い”
という結果が導き出されています。
http://www.nuketext.org/kenkoueikyou.html

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